雑観書留

基本的にオタ活で雑多なトピックについて書きたくなったときに使われます

異次元フェスに向けたラブライブ!シリーズ予習

はじめに

めちゃくちゃ今更としかいいようがないですが、異次元フェスの予習用のプレイリストを作りました。

open.spotify.com

コンセプトとして、フェスのためにアニメを見たり曲を全部聴き込んだりするのは時間的に簡単ではないので、代表曲やフェスでやりそうな曲を抑えつつも、たぶんやらないけどこれを知っておくとストーリーやこれまでの歴史の背景がなんとなく見えてきて、他の知らない曲が来ても全般的に楽しみやすくなるんでは?というところをピックアップしたつもりです。この部分を曲だけで伝えきるのは難しいと思うので、このブログで補完しようという流れです。

以降、各プロジェクトの簡単な紹介とともに、各楽曲の選曲理由がわかる説明をつけています。

ラブライブ!(無印)

概要

今回は出演予定がないが、やはり最初のプロジェクトなので少しは知っておいた方がシリーズ全体を理解する手助けになるかなと思い、簡単に紹介する。

用語

スクールアイドル: 学校の部活動としてアイドル活動をしている女の子たち。厳密な定義は不明だが、大会に出場できるのが高校生のみと捉えられる描写があるため、一般に高校3年間のみスクールアイドルでいられると解釈されることが多い。男性のスクールアイドルは2023年12月現在知られていない。というかそもそも劇中に男性がほぼ登場しない。

ラブライブ!: プロジェクト発足当初はラブライブ!以外にラブライブ!コンテンツが存在していなかったが、のちにラブライブ!サンシャイン!!ラブライブ!スーパースター!!などの別の区分けが増え、シリーズ化した。これにより「ラブライブ!」がシリーズ全体を指すのか、シリーズ内の1つの区分を指すのかが曖昧になった。そのため、シリーズを指すときには「ラブライブ!シリーズ」 (公式も用いる表現)、1つの区分を指す際には「無印」(非公式) という表現が多用されるようになった。本記事では基本的には「ラブライブ!シリーズ」および「ラブライブ!(無印)」の表記を使用して区別する。また、ラブライブ!(無印)、ラブライブ!サンシャイン!!のような一区分のことを「プロジェクト」と表記する。なお、ラブライブ!シリーズの劇中でも「ラブライブ!」という用語は用いられ、これはスクールアイドルの大会の名前 (甲子園やインターハイのようなもの) として用いられる。この意図でラブライブ!を用いるときは「ラブライブ!(大会名)」と表記する。何もなくラブライブ!と書かれているときは、ラブライブ!シリーズのこと、あるいはラブライブ!らしさのような概念として用いている。

μ's: ラブライブ!(無印) の主要キャラクター9人が集まって結成されたスクールアイドルグループ。ミューズと読む。メンバーについては公式サイトを参照してほしい。東京・秋葉原近郊にある音ノ木坂学院のスクールアイドル。また、CVを担当する9人の声優グループを指すこともある他、キャラクター・声優含め18人でμ'sだという表現を用いることもある。

Printemps, BiBi, lily white: ユニットと呼ばれる、3人ずつのサブグループ。それぞれ、プランタン、ビビ、リリーホワイトと読む。それぞれ楽曲があるが今回は紹介しない。

スクフェス: スマホリズムゲームラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」の略称。当時のスマホリズムゲームの金字塔とも言える存在で、普段アニメや2次元コンテンツに興味がない層にもラブライブ!の名前が広がる大きな一因となった。2023年3月にサービスを終了し、同年4月15日にリリースされたスクフェス2へと引き継がれた。

楽曲

1. Snow halation

ラブライブ!シリーズを代表する一曲と言っても過言ではない有名曲。通称スノハレ。紹介するまでもなく知っているという人も多いかもしれないが、μ'sでここを外すわけにはいかないと思い選曲。

基本的にラブライブ!(無印) の作詞をすべて行ない、シリーズ全体を通しても各プロジェクトで1曲以上作詞を担当している畑亜貴らしい言葉選びが光る歌詞も味わえる一曲。

特に、落ちサビでイルミネーションが点灯するMV映像を再現するように、白のペンライトで染められた会場が落ちサビで一気にオレンジに変わる光景は、ラブライブ!(無印) のライブの代名詞の1つと言っても過言ではないだろう。

 

2. 僕らは今のなかで

TVアニメ 1期のオープニングテーマであり、キラキラと前に向かって駆け抜けていくμ'sの王道サウンドを感じられる曲のひとつでもある。

この曲が (フルで) 初披露された3rdアニバーサリーライブは、TVアニメを背負った初のライブであり、衣装・演出なども含め現在のラブライブ!シリーズの再現ライブの根底を形作ったライブとも言えるだろう。

アニメOPとして有名なだけでなく、2015年のアニサマアイドルマスターとコラボした際にも使われた楽曲ということで、コラボがあったという事実を知っておく意味でも選曲。

 

3. 僕たちはひとつの光

劇場版の挿入歌。

劇場版の物語として、ラブライブ!(大会名) の規模が拡大していったことでラブライブ!(大会名) をドームで開催する可能性が浮上し、μ'sがその流れに勢いをつけるための手伝いをすることになるが……というもので、この曲はその物語の最後にドームで披露されることになる。

劇中での名称はアキバドームだが、モデルは東京ドームとされている。μ'sがFinal LoveLIve! を行なったのが東京ドームであったのは、キャパ的な需要だけでなく、この物語が背景にある。ちなみにオタクが東京ドームのことを「ドゥーム」と言い始めたら、それは劇中ネタである。

Final LoveLIve!でもWアンコールの最後の曲として披露され、パフォーマンス終了後、キャストが退場する間もインストが流れる中、ファンたちの大合唱が起こった。特に「いまが最高!」のフレーズは「限られた時間の中で精一杯輝く」というスクールアイドルのコンセプトとファイナル公演という文脈に重なり、ファンの気持ちをひとつにした。

とても大切な楽曲なので異次元フェスで披露されることは万に一つもないと思うが、μ'sにとって欠かせない楽曲であるとともに、ラブライブ!シリーズと東京ドームの関係を知ることができる1曲だと思い、選曲した。

ラブライブ!サンシャイン!!

概要

無印に続く後継プロジェクトとしてスタート。μ'sが都会・東京であったのに対し、ラブライブ!サンシャイン!!では地方である沼津の内浦で物語が展開する。また、μ'sを初めとする先輩たちの功績により、スクールアイドルが一大ムーブメントを巻き起こした後の、競争が苛烈になった時代を描いているところも違いである。

用語

Aqours: 沼津・内浦にある浦の星女学院の生徒9名で結成されたスクールアイドルグループ。読み方はアクア。メンバーは公式サイトを参照のこと。μ's同様、担当声優のグループもAqoursと呼ぶ。

CYaRon!, AZALEA, Guilty Kiss: Aqoursのユニットで、各3人ずつで構成されたサブグループ。それぞれ、シャロン、アゼリア、ギルティキスと読む。今回は枠の都合上、ユニット曲は来ないと考えて紹介は割愛。ユニットごとにも楽曲の色があり、物語の文脈と離れた自由な曲が楽しめるので、時間があれば自分で調べてみてもらいたい。

幻日のヨハネ: ラブライブ!サンシャイン!!に登場するスクールアイドル9人に似た人物たちがファンタジー要素のある別世界で生きる姿を描いたスピンオフ作品。イラスト連載、コミカライズ、アニメ、ゲームなどのメディアミックス展開がある。

 

楽曲

1. 君のこころは輝いてるかい?

Aqours の1stシングル表題曲。通称君ここ。東京という大都会に比べ、沼津という地方でスクールアイドルを始める少女たちらしい、夢を見つけた無垢さや無邪気さが太陽のような輝きを纏って表現された1曲。やはり外せないデビュー曲だと思い選曲。

 

2. 恋になりたいAQUARIUM

Aqours 2ndシングル表題曲。通称恋アク。センターポジション総選挙という投票企画が行われ、1位に選ばれた渡辺曜がセンターを務める。(センターを決める投票企画はμ's時代からあった。実はスノハレも投票で高坂穂乃果がセンターに選ばれている。)

ラブライブ!はスポ根アニメとも言われるが、Aqoursは希望を与えたり前に向かって進むための曲が多く、特に全体曲においてμ'sと比べても王道ラブソングが比較的少ない印象があるため、初期の貴重なラブソングとも言える。

初期のAqours曲の中で、特にアニソンオタクの間では最も有名な楽曲なのではないかと思い選曲。典型的な間奏でのHi Hiや警報・オーイングなどはないが、曲中のYeahや括弧書きの歌詞に合わせたコールや、リズムに合わせたFu Fuなどは多い。いわゆる家虎は基本的に大衆には嫌われているのでやめておくことを推奨する。

 

3. 青空Jumping Heart

TVアニメ 1期オープニングテーマ。通称青ジャン。

恋アク同様、ラブライブ!(無印) を知っていた流れでAqoursは初期まで追っていた、というオタクの中ではよく知られているのではないかと思う。

Aqoursは「あんまり深く考えず気楽にやっちゃおう」という空気感もあると個人的に思っていて、この曲にもそんな風に何かを始める時の心のふっと軽くしてくれるようなエッセンスが詰まっている。

こちらは王道のHi Hiや警報、オーイングなどのコールが主流になるため (2番Bメロは1番とは構成が変わるのでオーイングいらなくね?と個人的には思っている)、あまり知らなくても盛り上がりやすいのもフェス向きのポイント。

 

4. スリリング・ワンウェイ

TVアニメ1期のBlu-ray 6巻の特典曲という、一見するとマニア向けの楽曲に見えるが、2ndライブで披露されて以来、Aqoursのライブで一番ブチ上がる楽曲という立ち位置を確立した。「デイドリ (Daydream Warrior) からのスリワン」は古のオタクが大好きな合言葉である。現在はベストアルバムに収録されたため、サブスクでも気軽に聴けるようになった。

間奏のHi Hiに加え、「マイ未来 トライ・トライ・トライライ ホンキ デ ハシレ」を本気で叫びまくるのがアドレナリンの分泌にかなり効果的。オタクが大好きなブレイクポイントもたくさんある。知らないでこの曲が来ると周りのオタクが突然狂い始めて焦るかもしれないので、周知するため選曲。

 

5. 未来の僕らは知ってるよ

TVアニメ2期オープニング。アニメOPとして有名なこと、ラブライブ!シリーズらしく、かつAqoursらしい爽やかで鮮やかなサウンドも選曲理由の1つだが、Dメロにある「I live, I live LoveLive! days!」のフレーズも重要である。

今でこそラブライブ!はシリーズとして新たなプロジェクトが増えていくことがある種当たり前になっているが、サンシャイン!!は特に、μ'sが人気絶頂の中で惜しまれながらライブ活動をおしまいにするという流れの中で動き出した初めての後輩グループだったため、「ラブライブ! = μ's」だというファンたちも多く、万人からすんなりと受け入れられたとは言えない状況だった。TVアニメ1期に関しても、序盤はμ'sの物語をなぞるように展開しながら、徐々に自分達独自の道を歩き始めていくという部分が多くを占め、ある意味アニメ1期を丸々かけて世間のμ'sのイメージから脱却しようとしているとも受け取れるほどだった。そんなAqoursが前述の1期を経て2期を迎え、初めて曲中で「LoveLive!」というワードを歌い、堂々と背負えるようになったんだという1つの大きな節目でもある。ちょうどこの頃に行われたスマホアプリゲーム「スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」に関する告知を皮切りに、それまでAqoursキャストからμ'sに関する言及すらほとんどないレベルであったプロジェクト間の隔たりが徐々に減って交流が増えてきたことも大きい。

「I live, I live LoveLive! days!!」は雑誌名を公募した月刊ラブライブ!専門誌「LoveLive!Days」の名前としても残るなど、シリーズを追い続けるファンにとって、ラブライブ!とともに過ごす日々を象徴する言葉となっている。コロナ禍明けの声出しライブで最も叫びたいコールにこの「I live, I live LoveLive! days!!」を挙げるファンも多かった。ラブライブ!シリーズを追う上で胸に掲げていたくなる標語を与えてくれた1曲でもある。

 

6. WATER BLUE NEW WORLD

TVアニメ2期挿入歌。ネタバレになるが、Aqoursが東京ドーム (アキバドーム) で行われたラブライブ!決勝で披露した曲である。

2期の物語を経て知った感情が歌詞に色濃く反映され、もはやμ'sという言葉すら出なくなった2期を象徴するように、Aqoursらしい「海」「青」がモチーフとなった楽曲で、キャラクターたちのここに至るまでの軌跡・成長も感じられる。曲自体の強さも間違いなくあるが、東京ドームという文脈の意味でも押さえておきたい1曲。

 

7. 想いよひとつになれ

TVアニメ1期の挿入歌。劇中では桜内梨子がスケジュールのバッティングによりライブに参加できず、梨子を除く8人で披露された楽曲。

1stライブでも歌唱・ダンスパフォーマンスは8人で行われ、梨子役の逢田梨香子さんはピアノに挑戦した。このときDay.2で思ったようにピアノが弾けなかった経験から、逢田さんにとって向き合うことが簡単ではない曲という側面もあり、1stライブ以降4thライブまで披露がなかったが、東京ドームで行われた4thライブでは9人での歌唱・ダンスパフォーマンスとして生まれ変わった。

ラブライブ!といえばシンクロパフォーマンス・再現ライブだとよく言われるが、単なる再現を超え、「劇中の梨子もいつか9人で披露したかったはずだ」という夢を現実にしてくれた瞬間であり、3rdライブで完成度の高いTVアニメ再現ライブを成し遂げたからこそできた、さらに一歩先の試みだと感じた。東京ドームを「みんなの夢が叶う場所」にしてくれた象徴的な1曲だと思い、選曲。

 

8. Future flight

ベストアルバムに新規楽曲として収録された1曲であり、「みんなで作るAqoursの歌」という、ファン投稿型の企画により、楽曲テーマや衣装イメージなどを募集して作られた楽曲。「みんなで叶える物語」というラブライブ!のコンセプトが表れた楽曲だと思い、選曲。ちなみにμ'sにも「ミはμ'sicのミ」、虹ヶ咲にも「OUR P13CES!!!」など、同様にファンを巻き込んで生まれた楽曲がある。

振り付けにもデビュー曲「君のこころは輝いてるかい?」を思わせる振り付けがあるなど、ベストアルバム収録曲としてもこれまでの歩みを感じる曲となっている。

 

9. DREAMY COLOR

Aqours CLUBと呼ばれるファンクラブの会員証とセットになったCDに収録された一曲。会員の有効期限は1年間なので、このような曲が毎年1曲ずつ増えている。

ラブライブ!シリーズ初のキャストにより実写MVが作られたことでも話題になり、YouTubeラブライブ!公式チャンネルにおける再生数は600万回越えと、バズりにバズった「コットンキャンディえいえいおー!」に次いで2位となっている (2023年12月現在)。

キャラクターを重視するラブライブ!シリーズにおいて実写MVが受け入れられるのか心配もあったとキャストは語っているが、Aqoursが挑戦したことで、後輩グループであるLiella!も同様に「What a Wonderful Dream!!」「Second Sparkle」において実写MVを作成しやすい流れを作ったと個人的には捉えており、先輩としてまた1つ道を切り開く姿を見せてくれたと感じる楽曲でもある。

MVではアニメの各メンバーに縁がある場所に担当キャストが訪れていたり、劇中歌である「夢を夜空で照らしたい」や「未熟DREAMER」を思わせる要素もあり、シンクロパフォーマンスや聖地巡礼など、リアルと2次元が混ざり合うラブライブ!シリーズだからこそできる実写化であると感じさせる。

 

10. SUKI for you, DREAM for you!

シングル「KU-RU-KU-RU Cruller!」のカップリング曲。

当初はただのカップリング曲かと思われていたが、後に (非公開のまま延期になっていたことが明かされた) 体験型イベント「輝け!Aqoursぬまづフェスティバル」のテーマソングであったことが発表され、イベント開催時に実際使用された。

無印の頃からも聖地は大切にされてきたが、ラブライブ!サンシャイン!!は聖地・沼津と切っても切れない関係性を築き上げており、聖地巡礼文化においてアニメコンテンツ全般で見ても重要なモデルケースの1つと言えるだろう。そんなサンシャイン!!における沼津への愛をはじめとする "SUKI" の気持ちをぶつけ合うこの曲やイベントの存在を知っておくことは、コンテンツへの理解の助けになるだろう。

ぬまづフェスティバルのテーマソングというだけあって、曲調も会場が一体になって盛り上がれるものになっているので、異次元フェスというお祭りにもぴったりだろう。

 

11. BANZAI! digital trippers

初音ミクとのコラボシングルの表題曲。

シリーズ初のアーティストコラボとして、初音ミクとコラボしたという歴史を知っておく意味もあるが、なんと言っても特筆すべきはリアルライブでのパフォーマンスである。

youtu.be

映像に投影された初音ミクと寸分違わず立ち位置や振りのタイミング・角度を合わせることで、本当に初音ミクがそこにいて一緒に踊っているように見せるパフォーマンスは圧巻。これまでのシンクロパフォーマンスで培ってきた、キャラクターたちがMVで踊る姿をステップからウインクまで細かく調整してきた技術の集大成とも言える。積み上げてきた実力とそれが可能にする新しい未来までも期待させてくれる1曲だ。

 

12. 幻日ミステリウム

TVアニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」の主題歌。

異次元フェスの次の週である12/15-17に幻日のヨハネをコンセプトにしたライブイベントの開催が予定されており、そのライブは全曲初披露の楽曲で構成されるという触れ込みなので、未披露のOPであるこの曲が異次元フェスで披露される可能性はほぼないと言っていい。単純に幻日のヨハネというファンタジースピンオフ作品が存在することを知っておくとよいかなという意図での選曲。

曲としてもAqoursの中では新しいダークでクールなカッコよさが感じられる楽曲に仕上がっているので、ジャンルの幅を広げるという意味でもおすすめの楽曲。

 

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

概要

スクフェスに次ぐラブライブ!シリーズのゲームアプリを制作するに当たって、新たに生まれたプロジェクト。当初はPDP (パーフェクトドリームプロジェクト) と呼ばれ、スクフェスに登場したノーマル部員も一部メンバーに加わった。

用語

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会: お台場にあるマンモス校・虹ヶ咲学園に設立された同好会。同好会のスクールアイドルたちはお互いの個性を尊重するためソロ活動を基本としており、グループを結成していないため、グループ名も存在しない。プロジェクト始動時は9人のスクールアイドルから成る同好会であったが、プロジェクトが展開するにつれ、スクールアイドルではないがメンバーをサポートする人間が1人所属していることが明かされ、また、徐々に同好会のスクールアイドルも増え、2023年12月現在では12人のスクールアイドル + 1人の計13人で構成されている。メンバーは公式サイトを参照のこと。プロジェクト名・学校名・同好会のメンバーの総称として、単に虹ヶ咲と呼んだり、ニジガクという略称が使われることがある。

A・ZU・NA, DiverDiva, QU4RTZ, R3BIRTH: 虹ヶ咲のユニット。それぞれアズナ、ダイバーディーバ、クオーツ、リバースと読む。虹ヶ咲の主体はソロであり、そちらに時間が回されると読んでいるため、今回は紹介を割愛する。

スクスタ: アプリゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」の略称。虹ヶ咲はこのゲームのために生まれたプロジェクトであり、当初アニメ化の予定はなかったという虹ヶ咲のストーリーは主にここで展開されていた。(のちに別のストーリーでアニメ化された。) また、キズナエピソードと呼ばれる、メインストーリーとは別にキャラクター1人1人を掘り下げるコンテンツがあった。2023年6月30日にサービスを終了したため、現在こちらのストーリーを見る公式的な手段はない。

「あなた」: スクスタにおけるゲームプレイヤーのこと。スクスタでは、自分で名前をつけることができるプレイヤーの分身の視点からストーリーを見ることができ、スクールアイドルではないが同好会のメンバーとしてサポートする立場であった。割と自我が強めで自分の分身のつもりで没入できなかったプレイヤーも多かったこと、作中で女子と思しき描写があったことなどから、ファンの間では「あなたちゃん」とも呼ばれる。アニメ化した際、同じポジションのキャラとして、公募で決まった「高咲侑」という名前のキャラクターが生まれた。

楽曲

1. Love U my friends

虹ヶ咲の2ndアルバム表題曲であり、全体曲 (当時は9人)。12人での歌唱音源もアニメBlu-rayの特典曲として存在する他、ライブでの披露もある。

ファンとの関係性が対等に近い虹ヶ咲らしさが、「my friends」というワードからも感じられる曲でもある。

括弧書きの歌詞をコールする他、サビの振りコピ率が異様に高い楽曲。余裕があれば覚えて一緒にやると一体感が増す。

youtu.be

両腕を頭上で回した後にL字にして、腕を開く。これを2回繰り返せばよい。(実はどっちの腕が上に来るかが1回目と2回目で違うが、細かいのでそこまで気にしている人は多くない。) 他の部分の振りコピもしている人はもちろんいるが、基本的にこの部分をやるだけで大丈夫。周りには気をつけよう。知っているかいないかで楽しさが変わる曲だなと思い、紹介した。

 

2. 夢がここからはじまるよ

TVアニメ1期挿入歌。

虹ヶ咲はスクールアイドルではないメインキャラクターが登場する初のコンテンツであり、スクスタでは「あなた」、TVアニメでは「高咲侑」が、スクールアイドルではないファンに近い形で、スクールアイドル同好会に所属してスクールアイドルたちを応援・サポートしている。その形態もあって、「スクールアイドルは輝いているけど、それじゃあスクールアイドルではない人はどう輝くのか?」という部分に焦点が当たることも多い。

この楽曲は、高咲侑・ファンからの応援があったからこそ今スクールアイドルとしてステージに立ち、輝けている同好会のみんなが、今度は高咲侑・ファンが自身の夢を追いかけることを応援するという、応援の交換という関係がわかりやすく歌詞として形になった楽曲である。「きっと大丈夫だよ 誰より知ってる 願いは叶うよ」という歌詞が、応援のおかげで夢を叶えられたスクールアイドルの目線からも、応援していた人たちがステージに立っている現実を目の当たりにしているファンの目線からも捉えられる、スクールアイドルもファンも気持ちを1つに相手を応援することができる1曲。自分の好きなことを頑張っているなら目標がスクールアイドルであってもなくても対等という、虹ヶ咲というコンテンツの特徴がよくわかる楽曲だと思い、選曲。

 

3. L!L!L! (Love the Life We Live)

スクスタのメインストーリー挿入歌。虹ヶ咲が12人となってから初めての全体曲でもある。

「心の数あるね 夢の形」「キミだけのね 気持ち感じて」など、"個" を大事にする虹ヶ咲らしさと、ファンに対してもスクールアイドルでなくても自分らしさを表現すればいいんだというメッセージが伝わってくる。

また、ラブライブ!(大会名) に出場しないなど、競争を重視する "部" ではなく、それぞれの楽しさを尊重する "同好会" という形を選んでいることも、「自由に泳ごう 自由に飛ぼう」「楽しい!が正解」などの歌詞から伝わってくる、虹ヶ咲のエッセンスが散りばめられた楽曲。

また、Aqoursの「未来の僕らは知ってるよ」のように、歌詞に「Love Live」が登場した初の虹ヶ咲楽曲でもある。披露回数も少ない上に声出し公演での披露が1度もないため、この部分を叫べる日を個人的に心待ちにしている。

 

4. 繚乱!ビクトリーロード

いま、治安が崩壊しました。

TVアニメ2期エンディングテーマ「夢が僕らの太陽さ」カップリング曲。めちゃくちゃいいエンディング楽曲のはずなのにカップリングはどうしてこうなった。

アイマスPなら知っているかもしれないチバニャンによる治安の悪い作曲。公式が頑なに特攻服とは呼ばない学ラン衣装。ファンが使ったら一発でレギュ違反退場させられるクソ長ペンライト。終わりだ。なにもかも。

治安の悪さがフェス向きであることに加え、歌詞が自己紹介ソングになっているという点においてもフェスで披露するのにぴったりな楽曲となっている。ブシロックフェスでは、歌詞をバンドリやD4DJなどの他キャラの紹介に書き換えてコラボ披露するなど、汎用性も高い。一緒に治安をブチ壊そう。

 

5. わちゅごなどぅー

ショートアニメ「にじよん アニメーション」の主題歌。「にじよん」は元々ゆるい日常を描いた4コマ漫画であり、その作画や空気感を引き継ぎつつ、4コマとは異なるオリジナルストーリーで展開された。

前述の通り、高咲侑はスクールアイドルではないため、基本的に楽曲の歌唱は行わない。これが高咲侑役の矢野妃菜喜さんが "応援出演" という形になっている理由であり、応援出演は虹ヶ咲のナンバリングライブにおいても用いられる表現である。

そんな中、この楽曲は貴重な高咲侑が歌唱に参加している唯一の楽曲である。この曲が披露されない可能性もあるし、披露されても矢野妃菜喜さんが歌わない可能性もあるが、この背景を知っておくとよいという意味で選曲。

わちゃわちゃとして楽曲でコールできるところも多いが、最重要ポイントは高咲侑役 矢野妃菜喜さんの決めゼリフ (?) 「ヒトリダケナンテエラベナイヨー」がある2番サビである。単推しがいないオタク、箱推しオタクの強い味方であるこの言葉を一緒に叫ぼう。


6. Dream with You

最大の特徴であるソロ活動に合わせ、虹ヶ咲にはソロ曲が多い。ショートバージョンでのメドレー披露なども予想されるため、ソロ曲にも1曲ずつ触れていきたい。

上原歩夢のソロ曲であるDream with Youは、TVアニメ1期の挿入歌。アニメにおいて2度使われるが、1回目と2回目で "You" の意味が変化しているところに、アニメの物語を通した歩夢の成長と魅力が表れている。

 

7. 無敵級*ビリーバー

虹ヶ咲では1度だけソロ曲をかけた投票企画が行われており、その際1位に輝いた中須かすみに作られた楽曲がこの無敵級*ビリーバー。

ボカロPとしても有名なDECO*27が制作を手がけたことでも話題になった。「かわいい」を追求するかすみの内面を掘り下げることで背景に厚みを与え、スクールアイドルとして立つ姿の「かわいさ」をより輝かせた。

 

8. オードリー

桜坂しずくは演劇部とスクールアイドル同好会を兼部しており、演技・お芝居が好きであるという個性を持っている。演技との向き合い方、女優としての在り方をテーマにしたこの楽曲は、しずくのその個性がよくわかる曲だろう。このことを押さえた上で他の曲を聴くと、捉え方も変わってくるかもしれない。


9. VIVID WORLD

TVアニメ1期の挿入歌であり、朝香果林のソロ曲。

果林の曲はその多様な魅力を掘り下げるようにほぼほぼ違うジャンルの曲になっている。その中で初めてのソロ曲であるStarlightに若干近いEDM系の楽曲がこのVIVID WORLDであり、高校生離れした大人びた魅力という軸を再確認しつつ、歌詞の中に現れるピュアで素直なかわいさも垣間見ることができる楽曲。

 

10. 楽しいの天才

楽しいことにまっすぐな宮下愛のソロ曲。「楽しいから笑うんじゃなく 笑うから楽しいんだ」という歌詞からも、みんなに笑顔を届ける存在に自分がなることで、みんなが楽しい空間を作りたいという思いが伝わってくる。

ビリーズブートキャンプかと思うような激しい振り付けがついたダンスパフォーマンスだが、キャストの村上奈津実さんが全力笑顔でそれをこなす姿に、こちらも嫌なことを忘れ、全力で汗を流し楽しみたくなる一曲。


11. Butterfly

近江彼方のソロ曲で、アニメ1期の挿入歌として用いられた。

彼方は別の学校でスクールアイドルをしている妹の遥を溺愛しているが、1人のスクールアイドルとしてお互いに頑張ろうという想いが込められた楽曲。「ハルカカナタ」という歌詞からもそれを感じ取ることができる。姉妹愛に加え、ソロ曲ながら虹ヶ咲らしい「それぞれの道を行く」という要素も感じられる一曲。


12. CHASE!

虹ヶ咲の1stアルバムに収録された、優木せつ菜の最初の楽曲。優木せつ菜の代名詞とも言える1曲であり、TVアニメ1期でも劇中歌として唯一用いられた初期ソロ曲。ライブでも非常に盛り上がる楽曲で、特にラスサビでのシャウトは聴きどころの1つである。

優木せつ菜は当初楠木ともりさんがCVを担当していたが、持病によりパフォーマンスが困難であることを理由に、2023年4月より林鼓子さんへとせつ菜役が引き継がれた。そのため、既存の音源のほとんどは異次元フェスで実際にパフォーマンスする人とは別である。


13. 哀温ノ詩

エマ・ヴェルデのソロ曲。エマは本来優しく穏やかな性格で、みんなに癒しを与えるお姉さん的な存在である。その個性が表れている楽曲としては「声繋ごうよ」などの方がわかりやすいが、この哀温ノ詩はキャストである指出毬亜さんのズバ抜けた歌唱力が遺憾なく発揮された楽曲として選曲した。アイマスでいう「あらかねの器」のような曲だと言ってもいいかもしれない。

他の楽曲は優しい気持ちに浸りがちで歌の上手さに注目せずに聴いてしまうかもしれないので、この曲を知っておくことで、他の曲の聴こえ方も少し変わってくるかもしれない。ハーモニーが特徴と言われるユニット・QU4RTZでも歌唱の軸になっている。

また、なぜスイス出身の留学生であるエマがこの和風の曲を歌うのかについては、スクスタのキズナエピソードと呼ばれる個人ストーリーで描かれている。ソロ活動がメインであるため、個人やソロ楽曲に対する掘り下げ供給が多いことも虹ヶ咲の特徴のひとつである。


14. ツナガルコネクト

天王寺璃奈がTVアニメ1期で披露した挿入歌。こちらも無敵級*ビリーバー同様、DECO*27の作曲である。

よく誤解されがちだが、璃奈は顔を隠したいためボードを使っているのではなく、顔の表情による感情表現が苦手なため、スケッチブックやデジタルのボードにそのときの感情に合わせた表情を描くことでその苦手と向き合っている。璃奈がそこまでして表情にこだわる根底には、表情の変化が乏しいことで他人と気持ちを通わせることができないのではないか、という不安がある。

この楽曲では、そんな不安と向き合い、できないことを責めるのではなく、できないことがあってもできることから始めていこうという勇気・前向きさ・健気さを感じることができる。「繋がる」は本当は誰よりもみんなと心を通わせたいと思っている璃奈の重要なキーワードにもなっている。


15. 翠いカナリア

三船栞子のソロ曲。スクスタメインストーリーの挿入歌として用いられた。

シンプルに強い楽曲に、普段は生真面目な栞子の想いが解き放たれた爆発力のある歌詞、それを表現する小泉萌香さんの力強い歌唱が加わり、栞子の楽曲の中でもとりわけ会場のボルテージを上げるフェス向きの楽曲となっている。


16. Toy Doll

ミア・テイラーのソロ曲。ニューヨーク出身のミアの楽曲には英語が多く使われており、とりわけこの曲はすべて英語である。シドニー出身で英語ネイティブの内田秀さんだからこそ実現できる楽曲とも言える。ちなみに歌詞カードには日本語訳も併記されているので安心してほしい。

ミアの楽曲は弾き語りのように聴かせるような楽曲も多いが、この楽曲はとにかく弾けて楽しい楽曲である。Hey などのコールもたくさんある。一方、歌詞は「あなた」のことをベイビーちゃんと呼ぶミアらしい、聴き手をからかうようなものになっているが、そんな言動の裏に隠れた本音もまた、英語でわからないからと照れ隠しでもするように潜ませてあるのがかわいいポイントでもある。


17. Eutopia

鐘嵐珠 (ショウ・ランジュ) のソロ曲。TVアニメ2期で用いられた。

ミアの英語のように香港出身のランジュらしい中国語が織り交ぜられた歌詞を、中国からの帰国子女である法元明菜さんが歌いこなす。自分のパフォーマンスに絶対の自信を持つランジュらしい孤高の強さが感じられる歌詞と曲調。ランジュのパフォーマンスに服従したなら、「Top of the top! Top of the world! Top of the top!」とコールして彼女を讃えよう。

 

ラブライブ!スーパースター!!

概要

舞台は原宿近辺にある新設校となった。これまでのプロジェクトは物語の開始時点で1年生から3年生まで揃っていたため、基本的に1年間を描くストーリーだったが、スーパースターは新設校であるため、1年生のみがいるところからスタートし、3年間 (もしかしたらそれ以上、現時点では不明) を描く物語となっている。シリーズ初となるキャストの一般公募 (事務所などに所属していない人だけが応募できる) を行った上で、キャラクターも1年生から始まるため、より一層キャラクターとキャストが一緒に成長していく姿を見守ることができるコンテンツとなった。

用語

Liella!: 原宿の結ヶ丘女子高等学校に所属するスクールアイドルグループ。リエラと読む。アニメ1期では5人の1年生で始まった。この5人は1期生と呼ばれる。アニメ2期では5人が2年生に進級、2期生となる4人の新1年生を迎えて9人となった。アニメ3期は2024年に放送予定となっているが、すでに3期生2人のキャラクターが発表され、キャストもライブ活動を行っているため、全11人となることがわかっている。各キャラクターについては公式サイトを参照のこと。

CatChu!, KALEIDOSCORE, 5yncri5e!: Liella!のサブグループとなるユニット。それぞれキャッチュ、カレイドスコア、シンクライズと読む。3期生まで揃ってから開始されたため、活動が始まったのは割と最近である。11人なので、それぞれ3人、3人、5人の構成。Liella!は11人曲がまだ少ないため、ユニット曲を披露する可能性も十分あるが、今回は割愛。曲数はまだ少なく2曲ずつなので、聴こうと思えばすぐに全部聴ける。

楽曲

1. 始まりは君の空

Liella!のデビューシングル表題曲。

初期の1期生のみの5人体制の曲であり、11人体制はもちろん、9人体制でも披露されたことはないため、まず来ることはない (来たらオタクが叫び倒すことになる) が、スーパースターが5人体制から始まった流れを知る上で聴いておくべき曲。

5人体制時はTVアニメ1期の楽曲がメインとなるが、ストリングスやピアノが特徴的なシンフォニックな曲が多い印象で、か弱さの残る少女たちがそれでも懸命に頑張ることで生まれる煌めきを感じる。この曲はそんな曲調が表れた1曲であり、太陽のような明るさ全開なAqoursの「君のこころは輝いてるかい?」と比べても、まだ無鉄砲に走り出しきれない繊細さが表れているように感じる。スーパースターというタイトルにもある通り星がモチーフになっているが、今はまだ1人では輝けなくても、手を繋いで星座になれば夜空を目指して飛んでいけるというような、自信は強くないけど勇気を出して踏み出そうとしている感じが応援したくなるポイントの1つのように感じる。

ちなみにデビューシングルのリリースイベントは声出しなしの有観客で開催予定だったが、緊急事態宣言を受け無観客開催に変更となった。Liella!が初めての有観客公演を行ったのは、後の1stライブツアーが初であり、そのまま声出し可のライブを経験しないまま5人体制を終えた。

 

2. WE WILL!!

TVアニメ2期のオープニングテーマ。2期から初期の1期生は2年生に進級し、2期生が1年生として入ってきたので、この曲も9人での楽曲となる。

この曲を皮切りに、心の琴線に触れるような繊細さを感じる曲が多かったこれまでの傾向から一転し、バンドサウンドのロックな楽曲が増えていく。アニメ1期で挫折を経験し決意を新たにしたLiella!の力強い成長が表れているようでもある。これは歌詞の「楽しいを越えてさ とことんまで 頑張ってみたい」「絶対負けないよ」などにも表れている部分である。

この楽曲を表題に掲げてTVアニメ2期の物語を背負った3rdライブの最終公演・埼玉ベルーナドームにて、Liella!はついに初めての声出し公演を経験した。


3. Jump Into the New World

3期生も加わり、現行の11人体制になってから初めての全体曲であり、現状音源化している唯一の11人曲でもある。この曲の披露はほぼ確定と言ってもいいだろう。

1人では乗り越えられない夜をみんなで乗り越えた1期、真昼の太陽のような眩しい力強さを見せつけた2期の成長を経て、今度は洗練されたクールさを感じる大人の夜へと戻ってきたような1曲。

人数が増えていくことでフォーメーションダンスの幅も広がってきたが、9人体制終期の曲「Second Sparkle」やこの「Jump Into the New World」は、そんな大人数だからこそできるダンスパフォーマンスを堪能できる楽曲でもある。

 

4. Day1

TVアニメ1期挿入歌のカップリング曲。一見マイナーに見えるが、後述する「私のSymphony」に次いでライブでの披露回数が2位という高セトリ採用率を誇る。「私のSymphony」はピアノ弾き語り風であったりオーケストラアレンジであったりと、原曲音源以外での披露も多いことを考えると、原曲音源での披露が1番多い曲と言えるだろう。ナンバリングライブでも外部フェスでも定番の1曲で、11人での披露実績もある。

ダークでクールなカッコよさから徐々に盛り上がっていきサビで最高潮を迎える構成がライブ映えする。サビでDay1にちなんで人差し指1本を立てて上に振り上げる振り付けも真似しやすい上に観客のボルテージを高める。曲名のDay1が2Days公演の1日目に使いやすかったり、「思い立ったらその日が始まりのDay1」という歌詞がフェスで出会った日がLiella!との始まりのDay1というMCにも使いやすく、何かと便利要素も詰まった1曲である。


5. ユニゾン

1stアルバム「What a Wonderful Dream!!」に最後の曲として収録された曲で、このアルバムが5人体制最後のリリースでもある。

このときにはもう2期生の追加が発表されていたため、「ずっと終わらないで 時が止まればいいのに」という歌詞に、5人のLiella!を好きで追い続けて9人のLiella!に変わっていくことへの不安を隠しきれない心情を重ねたファンも多かっただろう。5人体制最後のライブである2ndライブでも、アンコール含めた最後の楽曲として披露された。ライブという "生" の "今" を感じる場だからこそ余計に染みる歌詞でもあり、ライブという空間で心を1つにユニゾンさせる瞬間を大事に噛み締めたくなる。

9人体制となった3rdライブツアーでも9人で披露された。当然9人体制への変化に対する想いは人それぞれだろうが、個人的には5人が大好きだった"今"をあの瞬間に大事にできたからこそ、その先の未来である9人の"今"もまた大好きだと胸を張って言えるんだという、ラスサビの「未来へとこの気持ち連れていこう」がこの曲の本当に大事な部分だったんだと改めて気付かせてもらった気持ちがする体験だった。

学年が上がっていくことで確実にメンバーが増えていくことがわかっているというスーパースターだからこそ、その一瞬一瞬を大事にしようという気持ちにさせてくれる、スーパースター、そして限られた時間の中で輝きを追い求めるスクールアイドルの魅力とメッセージが詰まった大切な1曲である。

 

6. ビタミンSUMMER!

TVアニメ2期挿入歌。アニメ劇中で9人が揃ってから初めての全体曲でもある。

ヒゲドライバー作曲の激つよトラックの中毒になっているファンも多い。リズムに乗って体を揺らしたくなる曲調にクラップ・コールなどの盛り上がり要素も多く、フェス向きの楽曲である。

歌詞が意味わからんと言う人もいるが、手前味噌ながら歌詞について書いたブログがあるので、ネタバレが大丈夫な人は時間があればぜひ読んでみてほしい。宮嶋淳子を信じろ。

darsein-ll.blogspot.com

 

7. Sing!Shine!Smile!

TVアニメ2期挿入歌。

正直フェス映えするような楽曲ではないが、Liella!というグループらしさが一番詰まっている楽曲だなと個人的に思っているので選曲した。盛り上がるブチ上げ曲や感動するバラード曲などももちろん魅力的だが、ライブ会場という空間で音楽で心を繋げ、優しい楽しさを感じながら温かな笑顔が溢れる瞬間を作り上げることができるというのが、他のグループに比べてもLiella!の強みと言える大きな魅力の1つなのではないかと感じている。曲調・歌詞・一緒にクラップする振り付けなど、随所にその穏やかな光が溢れている。

11人での歌唱は今までにない上、もし仮に披露するとなると、劇中でこの楽曲を持ってラブライブ!予選を戦ったウィーン・マルガレーテと共に歌うことになるので、とんでもないことが起きてしまうことになる。


8. TO BE CONTINUED

TVアニメ2期挿入歌のカップリング曲であり、2期関連楽曲の中で最後の楽曲だと言える。

「WE WILL!!」でも強さを感じる楽曲が増えた話をしたが、これはまさにその集大成とも言える熱く爽やかで疾走感溢れるロックチューン。「WE WILL!!」では「てっぺん目指すんだ」だった歌詞が「TO BE CONTINUED」では「てっぺん越えても終わらないよ冒険」と変わっているところに、楽曲同士の繋がりと2期を経たLiella!の成長を感じる。

間奏のHi Hi、1番Aメロクラップ、警報からのオーイング、落ちサビクラップと一緒になって楽しめる要素もたくさんある、特にライブでおすすめの1曲。 (個人的にはBメロの警報・オーイングは合ってないと思ってるので「止まらない!」や「Let's have a try!」などの括弧書きの歌詞を叫んでいる)


9. UNIVERSE!!

LIella!にもAqours同様、Liella! CLUBと呼ばれるファンクラブが存在する。この楽曲はその特典楽曲である。Aqours CLUBはCDを買うと会員証がついてくるという建て付けになっているが、Liella! CLUBは会員になると特典としてCDが送られてくるという形式になっているため、微妙な違いがある。そのためこの楽曲は公式サイトの音楽商品情報には掲載されていないので若干見つけづらいかもしれない。サブスクでは配信されている。

星がテーマになっているスーパースターにちなんだ宇宙がモチーフになっている楽曲であり、宇宙の膨張よろしくLiella!の世界が着実に大きく広がっていることを感じさせる。その広がりも、心を1つにするファンが増えていっているという一体感の広がりを感じるニュアンスであり、特に間奏で一緒にWow Wowと歌うパートでは、力強く共に戦っていくかのような、今までとは違う心の繋がりが感じられる。この部分だけでも一緒に歌えるようにしておくと、披露された際はよりこの楽曲を楽しめるだろう。

 

10. 私のSymphony 

デビューシングルのカップリング曲。デビューシングルは2形態で発売されたが、そのうち1形態のみに収録されていた楽曲で、かつサブスクにはもう片方の1形態のみが配信されていたので、長らくサブスクで聴けなかった。今は聴ける。

カップリング曲ながら、夢のステージへと最初の一歩を踏み出す瞬間の気持ちを晴れやかに歌うこの楽曲は、物語におけるキャラクターの心情のみならず、オーディションを経てキャストの座を掴んだ時点で1つの夢を叶えたとも言えるキャストたちにもリンクする。特に、ラブライブ!スーパースター!!はシリーズ初の一般公募オーディションで一部のキャストを選考したプロジェクトでもあることが、さらにその意味合いを強めている。

また、ラブライブ!シリーズの作詞といえば畑亜貴を思い浮かべる人も多いかもしれないが、スーパースターの作詞のほとんどは宮嶋淳子が行っている。デビューシングルの他3曲がすべて畑亜貴作詞であるのに対し、その後スーパースターの作詞を牽引していく宮嶋淳子が唯一担当したのがこの私のSymphonyであることからも、スーパースターらしさが表れていることが伺える。

ライブにおいても重要な位置付けの曲となっており、さまざまなアレンジを加えながらも、すべてのナンバリングライブで披露されている。また、原曲は初期の5人による歌唱だが、2期生を加えた9人版である 2022Ver.が2ndアルバムに収録されている他、11人による2023Ver.が今後発売されるCDに収録されることも発表されており、5人版・9人版・11人版が音源として存在する唯一の楽曲となっていることからも、その重要さが伺える。

わかりやすくフェス向きという楽曲ではないが、すでに11人での披露もあり、過去にはフェスでの披露実績もあるため、まったくないとは言い切れない。

 

スクールアイドルミュージカル

概要

ラブライブ!シリーズは元々劇中で突然歌パートが始まる様子からミュージカルっぽいという声もあったが、ついに実際にミュージカル化したのがこの作品。略称としてはスクミュやSIMが用いられる。

ストーリーは完全オリジナルの新作であるが、「スクールアイドルはじまりの物語」と表現されたり、劇中でもあえてガラケーが使われていたりと、描かれている時代は数世代昔なのではないかと見られている。椿咲花女子高校に通う5人と、滝桜女学院に通う5人の計10人が主要キャラクターであり、シリーズとしては初めてメインキャラクターが2校に分かれている。

2022年12月から2023年1月にかけて東京と大阪で公演が行われ、好評を受けて2023年8月に再演が行われた。2024年1月には、Wキャストやライブパフォーマンスにフォーカスした文化祭&後夜祭公演などの新しい試みを加え、再上演される予定である。

用語

椿咲花女子高校: 神戸にある名門学校で、勉強ばかりの生活に生徒が疑問を持ち始めている。そんな中、2年生の椿ルリカが同学年の高校生アイドルにハマったところから物語が動き始める。

滝桜女学院: 大阪にある、芸能コースで注目を集めて話題となっている学校。中でもアイドル部に力を注いでおり、近々メジャーデビューするとの噂がある。

楽曲

1. 未完成ドリーム

スクールアイドルミュージカルのテーマソング。代表曲という意味での選曲。スクミュは初演終了後に劇中のナンバーを収録したアルバムが発売されたが、この曲はそれとは別に、初演時に劇場でCDが販売された。

畑亜貴が作詞を手掛けており、シリーズを横断したラブライブ!らしさが表れている。その上で「瞳の中に見えちゃったから」など、隣に立つとういうより正面から向き合っているかのような描写からも、シリーズ初の2校がフューチャーされたガールミーツガールであることも感じさせる。


2. きらりひらり舞う桜

劇中歌。ミュージカルでの楽曲はセリフ調のものが多いが、この楽曲は滝桜女学院の持ち曲として使用されているため、スタンダードなポップス調の歌唱曲となっているのも特徴であり、フェスで使いやすいと思われる。「きらりきら」「ひらりひら」などのキャッチーなフレーズが耳に残り、スクミュの楽曲で好きな曲としてこの曲を挙げる人も多い。

 

3. ゆめの羅針盤 (コンパス)

劇中歌。「やりたいからやるんだ」「それがスクールアイドル」などのラブライブ!イズムに根ざした歌詞に、(ネタバレは避けるが) この曲が使われた前後のシーンも相まって、これをもって「スクミュは間違いなくラブライブ!シリーズだ」と感じたファンも少なくないだろう。異次元フェスという、各ラブライブ!シリーズのファン、そしてまだラブライブ!シリーズをよく知らないという観客が集う場にこの楽曲が持つメッセージを響かせることには、大きな意味があるだろうと感じる。ミュージカルは曲数も多くないのでここに置いたが、シリーズ合同で歌ってもいい曲だと思う。

 

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ

概要

バーチャルスクールアイドルという新しい試みとして発足。2024年から本格始動した最新のプロジェクトである。バーチャルではあるが、配信でコメントを通じてキャラクターとリアルタイムに交流ができたり、アニメでは制作がとても追いつかない速度で現実の時の流れに合わせたストーリー展開をしたりと、アバターや3Dモデルであることの強みを存分に活かしてキャラクターたちの実在性を高めた、まさに「バーチャルだけどリアル」というキャッチフレーズ通りの展開を見せる。

用語

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ: 金沢にある蓮ノ空女学院のスクールアイドルクラブ。現在103期という歴史ある学校で、スクールアイドルクラブの前身は芸学部だったという。ストーリー中で過去、先輩の時代にラブライブ!(大会名) で優勝した実績があることがわかっている。現在6名。メンバーは公式サイトを参照のこと。

リンクラ: スマホアプリ「Link! Like! ラブライブ!」の略称。蓮ノ空のキャラクターベースのメインコンテンツは基本的にすべてここで展開される。2023年4月にアーリーアクセス版が公開され、1年生が入学した4月からの物語がリアルタイムで追えるようになっている。

活動記録: リンクラ内のいわゆるメインストーリーを読むことができるコンテンツ。

With×MEETS: リンクラ内でいわゆるリアルタイム配信 (およびそのアーカイブ) を楽しむことができるコンテンツ。

Fes×LIVE: リンクラ内でいわゆるバーチャルライブを鑑賞することができるコンテンツ、あるいは各ライブそのものを指す。定期公演として月1回行われ、その月の物語と連動した楽曲や新曲がセトリに組み込まれることも多い。

スリーズブーケ, DOLLCHESTRA, みらくらぱーく!: 蓮ノ空のユニット。2番目はドルケストラと読む。蓮ノ空はユニット活動がメインであり、全体曲よりも各ユニット曲の方が多いほどである。蓮ノ空はユニット曲披露の可能性がかなり高いと思われるので、以降の楽曲紹介でも取り上げる。

楽曲

1. Dream Believers

デビューミニアルバムの表題曲であり、リンクラの主題曲でもある。蓮ノ空の代名詞とも言える曲であり、真っ先に押さえておくべき曲だろう。

リンクラは蓮ノ空の主要なストーリー展開の場であり、TVアニメではなくテキストに合わせたボイスと3Dモデルの動きによって物語が表現される、ノベルゲームに近い作りになっていることもあってか、劇的な作画によるインパクトのあるシーンというよりも、じっとりと感情がのしかかってくるような進行が多い。そんな空気感が表れているように、この楽曲もラブライブ!の始まりの曲らしい華やかさに加え、どこか少し泥臭いような、そんな中でもキラキラとした夢へ向かって前に進もうとするひたむきさや懸命さを感じるような、どこか応援したくなる気持ちを抱かせてくれる。また、バーチャルというテーマから、アプリタイトルのLinkにもあるように、「繋がる」というワードも強調されて使われている。

ライブにおけるコールは標準的な「間奏Hi Hi、Aメロクラップ、警報からのオーイング、サビ前リズムに合わせてふっふふー、サビでFuFu FwFw」という構成になっているので、あまり知らなくてもノリやすい。(個人的にはこの曲にはそんなにコールは要らないと思っているのでHi Hiとふっふふーしかやってないが……)


2. On your mark

前述のデビューミニアルバムに収録された、6人歌唱の全体曲。

現状の全体曲の中で唯一のブチ上がり系楽曲と言っていいだろう。ライブ映えもするので、フェスイベントで披露される可能性が高く、押さえておいて損はないだろう。本格始動して半年程度のプロジェクトであるが、キャストに確かな歌唱力・ダンス力があることも、王道ソングに比べてわかりやすく伝わってくる曲ではないかと思う。


3. 夏めきペイン

1stフルアルバムの表題曲。8月のFes×LIVEで初披露された夏曲であり、海をモチーフにした歌詞や水着衣装が季節を感じさせる。また、若干のネタバレになるが、物語上初めて6人揃ってライブパフォーマンスを行なった曲でもある。

作詞が指原莉乃ということでも話題になったが、曲調も2次元アイドルソングというよりも3次元アイドルソングに近い仕上がりになっていて、ユニゾンパートの歌い方も普段の曲に比べ坂道グループなどに近いように感じる。ラブライブ!シリーズに新しい風を吹き込んだ1曲。

シンプルなかわいさ、盛り上がりやすさに加え、蓮ノ空がリアルタイムに物語が進行しているのに合わせ季節ごとの楽曲を持っていることを知る上でもおすすめの1曲。

 

4. Holiday∞Holiday

Holiday∞Holidayはスリーズブーケの楽曲である。スリーズブーケは何気なく過ごしていると見逃してしまいそうな日常の小さな幸せを優しく拾い上げて大切にする気持ちを教えてくれるユニットだと思っており、そのテーマ性が歌詞にわかりやすく表れているのがこのHoliday∞Holidayである。「月・火・水・木・金・土・日 毎日がHoliday」というサビの歌詞がキャッチーで特徴的だが、落ちサビでは「好きだよって気持ちを大事に今日を過ごせたならきっと 365日全部毎日がHoliday」と、より詳細にその心を伝えてくれる。ここで "Holiday" は単なる休みの日ではなく、由来である "Holy day" のように、祭日・祝福された日というように個人的には捉えており、忘れがちな「好き」という気持ちを常に確かめていられれば、毎日が多幸感に満ちた幸せな日になる、という意味だと考えている。もし足早に流れ去っていく日常に大切なものを見失いそうになっていると感じているなら、この曲に限らず、スリーズブーケの楽曲はそんなあなたの毎日に寄り添ってくれるだろう。

 

5. Mix Shake!!

蓮ノ空・スリーズブーケに限らず、ラブライブ!シリーズではそこまでタオル曲は多くないが、その貴重な1曲がこのMix Shake!!である。今回レギュレーションであえてタオルに触れていることを見ても、何らかタオル曲が披露される可能性は高い。フェスで盛り上がるのにぴったりな楽曲なので、ぜひタオルも忘れずに準備して、この曲が来たらタオルを回したり振ったりして楽しもう。

ちなみに曲中で突然ボディビル大会が始まる可能性がある。筋トレはメンバーの乙宗梢先輩の趣味なので、暖かな目で見てあげよう。


6. スケイプゴート

暖かな空気が流れるスリーズブーケに対し、この楽曲を歌うDOLLCHESTRAはかなりの反抗期、あるいは厨二病である。メンバーの2人とも普段の性格はおとなしいのだが、夕霧綴理は天才がゆえに周りの評価と自分の感覚のズレを感じたり、村野さやかは優秀なフィギュアスケーターの姉を持つなど、2人とも周囲からの目と自分の感情とのギャップを意識するバックグラウンドを持つゆえか、歌う楽曲は見えない何かと戦っているかのような台詞回しになる楽曲が多い。それがわかりやすく歌詞に表れているのが、このスケイプゴートだと思っているため、選曲した。

教室という狭い世界のカーストを外から眺めることのできる自分が他人とは違う存在であるかのような孤独感、それでいて「やわらかな風吹けば肯定された気がして」という最後の一節から伝わってくる、本当は誰かにわかってほしいという寂しさ。表面的にはやれやれ系主人公、厨二病のようにも感じるが、描かれている心情に歩み寄っていくと、誰もが感じたことがあるであろう、結局誰とも分かりあうことはできないのではないか、理解されないのではないかという孤独が見えてくるように思う。そんな感情といままさに戦っている人にこそ、「孤独かもしれないが、孤独を感じているのは自分ひとりではない」というDOLLCHESTRAの音楽が寄り添ってくれるのではないかと思う。

 

7. KNOT

バケモン曲。この曲を叩きつけて東京ドームをブッ壊してほしい。

音源未公開のままラブライブ!地区予選へのエントリーを兼ねた Fes×LIVE にて初披露された。多幸感あふれるイントロのメロディに「ドルケもついにこんな祝福されたような曲を歌うようになったのか」と目頭を熱くしかけたところに、続く突然の「光が灯す」からのバチクソにキマったギターイントロでオタクのムードをハッピー+100からメロウ-100に叩き落とした。

そもそもインストだけでアガり倒せるパワーがある楽曲に、成長を重ねてきたDOLLCHESTRAの力強いボーカル、ライブではさらに「騒げ」「いくよ」などの煽りが加わり、体の構成要素の99%をアドレナリンに変える。正直あんまり記憶ない。でも2番Bメロの踊りは結構かわいい。

曲としての強さの話ばかりしているが、物語を追っていると、「AWOKE」「Sparkly Spot」「Mirage Voyage」「Take It Over」などの既存曲からこの「KNOT」へと続く、DOLLCHESTRAの自分自身や周りの世界、夢との向き合い方の変化、そしてラブライブ!地区予選という舞台でそれが1つの到達点に達したことを感じられるだろう。

 

8. ド!ド!ド!

「世界中を夢中にさせる」がコンセプトのみらくらぱーく!は、他のユニットのように感情に訴えかけるテーマ性というよりかは、とにかく楽しいことを追求しているユニットといえる。その代表曲がこの「ド!ド!ド!」であり、「楽しいが一番!」という歌詞にもそれが表れている。

キャストも「半分くらいみんなに歌ってもらっている」というほどにコールが多い曲。「なんかここオレらが言ってもいいんじゃね?」と思ったところはコールしてしまってもたぶん誰も怒らない。むしろ本気でコールしようと思うとコールするところが多すぎるので覚えるのが大変である。直近のライブツアーではついに「はい!鬼ヶ島に遊園地と温泉とサウナを作って 毒気を抜いて平和的解決を図りまーす!」という早口尺のセリフパートまで言わせるようになった。筆者はこれに備え2時間みっちり練習した。

観客の知性をチンパンジーにする火力を持ったこの曲だが、蓮ノ空のストーリーを追った上で歌詞を見ると突然泣き曲になる。「何言ってんだこいつ」と思った方は、お手隙の際にリンクラの活動記録を読み進めてもらいたい。

 

9. アイデンティティ

曲から楽しさがダイレクトに伝わってくることが多いみらくらぱーく!だが、その裏にある葛藤を曝け出す要素も持った楽曲がこのアイデンティティである。無敵級*ビリーバーのように、楽しいを追求するみらくらぱーく!の内面を掘り下げる面も感じる。

ただし、正確にいうとこの楽曲は (今の代の) みらくらぱーく!が作った楽曲ではなく、伝統曲と呼ばれる、同じユニットで活動していた先代たちから引き継いだ楽曲である。数ある伝統曲の中で、今の自分達の気持ちにあったものが選ばれている、という形だろう。

みらくらぱーく!の楽曲の中で一番「普通に歌っている」と感じるところも多く、いろいろな観点から特徴的な曲であるためピックアップした。とはいえコールできるところも多く、サビ前の「だっだだっだだっだっ」やサビ中の「モットー」、そしてサビ後半の「Just do it」などは声を出せるパートになっている。


番外編. 僕らのLIVE 君とのLIFE / CHANGE!!!!

蓮ノ空はバーチャルらしくVTuberなどの流れに乗って、歌ってみた動画でカバー曲をアップロードしていることも他のプロジェクトにはない特徴である。

中でも特筆すべきは、初のラブライブ!シリーズ内の他グループカバーを行ったことであり、ユニットごとのカバーに加え、6人全員でカバーしたμ'sの僕らのLIVE 君とのLIFEがある。

youtu.be

また、今回の異次元フェスに合わせ、アイドルマスター 765PRO ALLSTARSの「CHANGE!!!!」もカバーされた。

youtu.be

ちなみに、他のカバー曲は基本的にショートサイズでの公開であり、フルサイズのカバーはこれが初めてである。

YouTubeに上がっている他にも、リンクラアプリ内のLearning Liveというコンテンツだけで公開されているカバー曲もあるので、気になる人はチェックしてみてほしい。蓮ノ空のリアルライブやFes×LIVEで実際にカバー曲が披露されたことはないため可能性は薄めだが、異次元フェスであることの特別感から初披露となる可能性もあり得る。少なくとも、カバー曲をやるプロジェクトであるということが念頭にあると、心構えも違うだろう。

 

合同曲

概要

せっかくのコラボイベントなので、シリーズ横断であったり、アイマス側も含めたコラボにも期待がかかる。この枠では、コラボに使いやすそうな楽曲を紹介する。

楽曲

1. 異次元★❤︎BIGBANG

異次元フェスのテーマソング。言うまでもなくやる。もしやらなかったら木の下に埋めてもらっても構わないよ。まだこの曲を聴いてないならこんなブログを読んでいる場合ではないので、今すぐ聴こう。コールできそうなところも多いので、本気でやろうとするなら聴き込んでいく必要がある。

 

2. SUNNY DAY SONG

ラブライブ!(無印) 劇場版において、スクールアイドルみんなの歌として作られた楽曲。シリーズ合同ライブイベント・ラブライブ!フェスにおいても「なんでこれやらなかったんだ」と永遠に擦られ続けている。今回μ'sの曲が披露される可能性自体はかなり低いと見ているが、万が一やるならこの曲となる可能性は高い。サビで振りコピできるとより楽しい。

 

3. ユメ語るよりユメ歌おう

Aqoursの楽曲で、TVアニメ1期エンディングテーマ。HAKODATE UNIT CARNIVALというイベントでライバルグループのSaint Snowと歌ったり、今年のLAでのトークイベントでサプライズとして3グループ (Aqours・虹ヶ咲・Liella!) の代表キャストで一緒に歌ったりと、Aqoursの曲の中でなにかと他グループとの合同曲として使われる傾向にある。

 

4. TOKIMEKI Runners

虹ヶ咲の1stアルバム表題曲であり、初めての全体曲 (発売当時は9人)。

スクスタのテーマ曲でもあり、忘れられがちだが μ's・Aqours・虹ヶ咲の3グループで一緒に踊るOP映像が存在する (音源歌唱は虹ヶ咲のみ)。

youtu.be

虹ヶ咲の曲から合同曲を選ぶのなら、シリーズの垣根を超えたクロスオーバーを題材にしたスクスタにちなんでこの曲が選ばれる可能性もある。

 

5. LIVE with a smile!

2021年から2022年への年越しに行われたカウントダウンライブのテーマソング。

Aqours・虹ヶ咲・Liella! (当時は1期生の5人のみ) の合同歌唱で、初めてのシリーズを跨いだ歌唱音源であるとともに、現在も異次元★❤︎BIGBANGを除けば唯一の合同曲である。曲中にはμ'sや歴代ライバルグループのSaint Snow・Sunny Passionを思わせる歌詞もある一方、当時はミュージカルや蓮ノ空、Liella!も2期生や3期生がまだいなかったため、新たなメンバーも交えての歌唱には夢がある。